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「まちの課題解決」で取り組む探究学習【総合学習・地域学習の実践案】

教育探究学習総合学習地域教育SDGs

「身近な地域の課題を見つけて、自分なりの解決策を考えよう」——総合的な学習の時間でよく設定される目標ですが、実際にはいくつか難しさがあります。子どもたちが課題を見つけても表面的な提案になりがち、フィードバックは先生の主観に頼りがち、活動が単発で終わって振り返りに繋がらない。

ツクルラボMAKERの「まちの課題解決」は、こうした課題に向き合う先生方の助けになるツールとして設計されています。

ツールの概要

「まちの課題解決」は、地域・人口規模・予算・解決すべきテーマなどの条件を選び、その条件下での解決策をユーザーが提案、AIが多角的に評価・フィードバックを返すツールです。評価軸には「実現可能性」「住民への配慮」「持続性」「コスト」など、行政施策を考える上で実際に使われる視点が含まれています。

教育用途では、児童・生徒が「市役所の企画担当者」になりきって課題に取り組む——という設定で使うのがおすすめです。

1サイクルの設計案(全6時間)

第1〜2時:地域を観察する

実際にまち歩きや図書館調査をして、自分が気になる地域課題を1つ見つけます。「商店街がさびれている」「通学路に街灯が少ない」「高齢者の集まる場所がない」など、具体的に書き出させてください。

ここでツールはまだ使いません。現場感覚を持つことが探究学習の核だからです。

第3時:解決策を起案する

班ごとに、見つけた課題への解決策を1つ書き出します。「公園を作る」「街灯を増やす」のような単純な案でも構いません。むしろ単純なアイデアこそ、後でAIフィードバックを通じて「考慮すべき要素」が浮き彫りになります。

第4時:「まちの課題解決」でAIフィードバックを受ける

ツールに自分たちの解決策を入力し、AIからの評価を受けます。「予算規模に対してコスト感はどうか」「対象住民の合意形成はどう図るか」「5年後10年後の持続性は」など、児童・生徒だけでは気づきにくい視点が指摘されます。

第5時:フィードバックを踏まえて改善案を作る

AIの指摘をすべて受け入れる必要はありません。「これは反映する」「これは反映しない、なぜなら〜」と取捨選択するプロセス自体が、批判的思考の訓練になります。

第6時:発表会と振り返り

班ごとに「最初の案 → AIフィードバック → 最終案」の流れで発表。「AIに言われたこと」と「自分たちが考えたこと」を区別して語る訓練にもなります。

SDGs教育との接続

「まちの課題解決」の評価軸は、SDGs(持続可能な開発目標)の考え方と親和性があります。「住み続けられるまちづくり(目標11)」「貧困をなくそう(目標1)」「つくる責任、つかう責任(目標12)」など、SDGsの目標を1つ選んでから課題設定する形にすると、世界的な文脈と地域の文脈を接続する学びが生まれます。

評価のヒント

探究学習でよく悩むのが「評価」です。このツールを使う場合、児童・生徒の到達度は次の3つで測りやすくなります。

  1. 課題発見の解像度:表面的な事実だけでなく、なぜそうなっているかまで掘り下げているか
  2. 解決策の具体性:「誰が」「いつ」「どこで」「どれくらいのコストで」が明確か
  3. AIフィードバックへの応答:指摘をどう咀嚼し、どこを取り入れ、どこを退けたかの理由づけ

中学校・高校での発展

中学・高校では、より長期のプロジェクト型学習として組み立てることもできます。実際の自治体に提案書を提出するゴールを設定したり、市議会議員や行政職員をゲストに招いて講評を受ける機会を設けたりすると、リアリティが格段に上がります。

まとめ

「まちの課題解決」は、児童・生徒の発想を尊重しつつ、現実の行政施策に必要な視点を補う「もう一人の伴走者」として機能します。総合的な学習の時間や地域学習を担当される先生方に、ぜひ一度試していただきたいツールです。

👉 まちの課題解決を見る