化学変化と質量保存の法則|原子が動いて結びつく様子を見られる教材
中学2年 / 第1分野 (4)化学変化と原子・分子 (ア)(イ)(ウ)
化学変化の単元でいちばん伝えたいのは「原子は無くならない・増えない」ことです。ところが実験では、気体が逃げれば軽くなり、酸素と結びつけば重くなります。見た目は保存していません。
このツールは、原子を1つずつ描きます。反応を進めると、原子が動いてくっつき、離れ、気体は上へ出ていきます。消えたり現れたりはしません。原子の数の表と電子てんびんが同時に動きます。
この単元で つまずくところ
- 「質量が増える」と「保存する」が両立しない。 銅を加熱すると重くなるのに、なぜ質量保存というのか。このツールは酸素を空気から取りこむものとして描きます。取りこんだ酸素の質量も別に出るので、増えた分の出どころが見えます。
- 密閉かどうかは器具が決める。 銅の酸化をふたのある容器でやることはありません。ステンレス皿の上でやる実験だからです。このツールにはふたのトグルがなく、反応を選ぶと器具が入れ替わります。ありえない設定は作れません。
- 化学反応式の係数。 なぜ 2Cu + O₂ → 2CuO なのか。原子の数の表を見ながら反応を1回ずつ進めると、両辺の数がそろっていないと反応が起きないことが分かります。
- 分解と化合が逆向きだと気づきにくい。 一覧は「分解」「結びつく変化」「酸化」「還元」に分けて並べてあります。水の電気分解と水素の燃焼が同じ表の別の場所にあることが目に入ります。
このツールで 何が見えるか
- 見た目と粒子
- はじめは器具の中の見た目の変化(色が変わる、強い光を出す、気体が出るなど)だけが見えます。「粒子で見る」を押すと、拡大図に原子の組み合わせのモデルと原子の数が出ます。
- 反応ごとの器具
- ステンレス皿・試験管・電気分解装置・密閉した袋・集気びん。炭酸水素ナトリウムなら試験管、銅なら皿の上です。試験管は底が丸く、鉄と硫黄は上部を加熱します。
- 原子が動く
- 進めると原子が移動して結びつきます。フェードで消したり出したりはしません。「原子は無くならない」を見せる教材なので、ごまかさない描き方にしています。
- 原子の数の表
- 反応前といまの数が元素ごとに並びます。どれだけ進めても数が変わりません。
- 電子てんびん
- 反応前といまの質量が出ます。開放系では増減し、密閉系では変わりません。
- 空気から取りこんだ酸素
- 酸素はびんから出しません。空気中にいくらでもあるものとして、上の帯から取りこみます。
- 電気分解の陽極と陰極
- 発生する気体の体積が2:1になり、粒子のモデルも+側と−側に分かれます。
- ことばの式
- 「銅 + 酸素 → 酸化銅」が化学反応式と並んで出ます。
授業での使い方
銅の酸化を再生して、電子てんびんが増えるところと、原子の数が変わらないところを同時に指します。「重くなったのに原子は増えていない。何が起きた?」で終わります。
密閉した袋の反応と、皿の上の反応を見比べさせます。「どちらが質量保存の法則を確かめる実験か」を説明させます。
9つの反応を分解・結びつく変化・酸化・還元に自分で分類させてから、一覧の並びと見比べます。還元がなぜ酸化の裏返しなのかまで進みます。
どの使い方でも、動かした条件はそのままURLに入ります。 画面の「リンクをコピー」を押して配れば、生徒の端末でも同じ画面が開きます。 生徒が見つけた条件のリンクを提出させれば、そのまま記録になります。
すぐ使える条件
- 銅の酸化(反応後)質量が増える。原子の数は変わらない
- 炭酸水素ナトリウムの分解試験管・気体が逃げて軽くなる
- 水の電気分解陽極と陰極で体積が2:1
あえて入れていないもの
中学校で教える形を優先して、省いている条件があります。 教科書や資料集の数値と合わないことがあるので、先に書いておきます。
- 原子1個の質量は原子量をそのまま使っています(H=1・C=12・O=16 …)。同位体は扱いません。
- 反応の速さは扱いません。「反応の進み」は何回反応したかであって、時間ではありません。
- 発熱・吸熱(温度変化のグラフ)はまだ入っていません。次の版で足します。
よくある質問
なぜ酸素のボトルが無いのですか?
酸素は空気中にいくらでもあるからです。ステンレス皿の上で銅を加熱する実験で、酸素を別に用意することはありません。取りこんだ酸素の質量は数値で出ます。
水素で酸化銅を還元する反応はありますか?
一覧から外しています。試験管を加熱する形では行わない実験で、器具と合わないためです。
反応を途中で止められますか?
止められます。「反応の進み」を0〜100%で自由に動かせます。再生ボタンでゆっくり進めることもできます。
ほかの教材は 中学理科ラボの一覧 から。
直してほしいところは 改善の要望 から。ツールの画面の「要望を送る」を押せば、そのとき見ていた条件のURLが付いた状態で開きます。
