溶解度曲線の読み方と再結晶|質量パーセント濃度まで確かめられる教材
中学1年 / 第1分野 (2)身の回りの物質 (イ)水溶液
溶解度の実験は、温めて、とかして、冷やして、ろ過して ── 1時間かかります。しかも1つの物質で1回ぶんの条件しか試せません。「食塩だとどうなるか」は次の時間に回ります。
このツールは、物質・水の質量・とかす量・温度の4つをつまみで変えます。グラフの上の点が動き、とけた量ととけ残りが同時に変わります。ビーカーの中の粒子も一緒に動きます。
この単元で つまずくところ
- 溶解度は「100gの水に」の値。 水が50gなら半分です。ここを飛ばすと、グラフから読んだ数をそのまま答えにしてしまいます。水の質量を変えると、グラフの読みは同じままとけ残りだけが変わるので、その関係が見えます。
- 再結晶は「差」を出す。 60℃で全部とかして20℃に冷やすと何g出てくるか。2つの温度の溶解度を読んで引き算するのですが、どちらを引くかで詰まります。温度をゆっくり下げていくと、とけ残りが増えはじめる瞬間(=飽和する温度)が見えます。
- 食塩は温度で変わらない。 硝酸カリウムのグラフを見たあとだと、「冷やせば出てくる」が全部の物質に当てはまると思ってしまいます。物質を切り替えて曲線を見比べれば、食塩だけ寝ていることが分かります。
- 質量パーセント濃度の分母は水溶液全体。 水ではありません。とけ残りがあるときは、とけた分だけが分子に入ります。値が同時に出るので、とけ残りが出た瞬間に濃度が止まることが確かめられます。
このツールで 何が見えるか
- 見た目と粒子
- はじめは実験で見えるとおり、とけたものは見えず、とけ残りだけが底にたまります。ビーカーの右下の「粒子で見る」を押すと、とけている粒ととけ残りの粒が出ます。
- 溶解度曲線の上の点
- いまの温度と、100gの水にとける質量が点で出ます。ほかの物質の曲線も薄く重ねられます。
- とけている / とけ残り / あと とける
- 3つの値が同時に出ます。とかす量を増やしていくと、あるところでとけ残りに変わります。
- 質量パーセント濃度
- とけた分だけで計算します。とけ残りが出ると、それ以上は濃くなりません。
- 全部とける温度
- いまの量が全部とけるには何℃必要かが出ます。再結晶の問題はここを読みます。
- ビーカーの中の粒子
- とけた粒子は薄い色で均等に散らばり、とけ残りは底にたまります。「とけている」と「とけていない」を見た目で分けています。
- 温度計
- ビーカーの横に立ちます。液柱が温度に合わせて動きます。
授業での使い方
硝酸カリウムを60℃で全部とかして、温度をゆっくり下げて見せます。「いつから出てくる?」と聞いてから下げます。
物質を4つ切り替えて、曲線の形を写させます。食塩だけ寝ていることに気づかせてから、「じゃあ食塩水から食塩を取り出すには?」と聞きます。
「40℃の飽和水溶液100gを20℃に冷やすと何g出るか」を計算させてから、ツールで確かめさせます。水の質量を変えると答えがどう変わるかまで進めます。
どの使い方でも、動かした条件はそのままURLに入ります。 画面の「リンクをコピー」を押して配れば、生徒の端末でも同じ画面が開きます。 生徒が見つけた条件のリンクを提出させれば、そのまま記録になります。
すぐ使える条件
- 硝酸カリウム 60℃冷やす前の状態
- 食塩温度を変えても曲線が寝ている
- 水を50gにするグラフの読みは同じ、とけ残りだけ変わる
あえて入れていないもの
中学校で教える形を優先して、省いている条件があります。 教科書や資料集の数値と合わないことがあるので、先に書いておきます。
- 溶解度の値は 0〜80℃ の9点を直線でつないでいます。教科書の表と同じ点を通ります。
- ミョウバンは結晶(12水和物)の質量で表しています。無水物の値とは違います。
- とかす速さ(かきまぜる・時間)は扱っていません。つねに平衡に達した状態です。
よくある質問
なぜ「とかす」と「冷やす」のモードが無いのですか?
分けていません。温度と量のつまみを動かすだけで、とかすことも冷やすことも同じ画面でできます。
4つの物質はどれですか?
硝酸カリウム・塩化ナトリウム(食塩)・ミョウバン・ホウ酸です。教科書で溶解度曲線として並ぶものにそろえてあります。
グラフの縦軸の値は読めますか?
いまの値が軸の目盛りの位置に直接出ます。定規を当てて読む必要はありません。
ほかの教材は 中学理科ラボの一覧 から。
直してほしいところは 改善の要望 から。ツールの画面の「要望を送る」を押せば、そのとき見ていた条件のURLが付いた状態で開きます。
