柱状図の読み取り|かたむきを求める問題と標高を求める問題を4パターンで練習
中学1年 / 第2分野 (2)大地の成り立ちと変化 ㋑地層の重なりと過去の様子
柱状図の問題でつまずく原因の多くは、2種類の問題を同じものだと思って解いていることです。かぎ層をそろえる問題と、標高をそろえる問題は、前提が裏返しになっています。
① 地層のかたむきを求める問題は、地図から各地点の標高が分かっています。柱をその標高のところへ置くと、かぎ層の高さが地点ごとにずれます。そのずれがかたむきです。
② 地点の標高を求める問題は、地層が水平だと分かっています。かぎ層は水平な目じるしなので、横一列にそろえると、柱の上(地面)のずれがそのまま標高の差になります。
どちらも出発点は同じ「地面でそろえた柱」=掘ってきたままの並びです。そろえたほうが与えられた条件、ずれたほうが答え。それぞれに、まっすぐな等高線の練習用と、実際の試験に出る曲がった等高線の2段階を用意しています。
この単元で つまずくところ
- 「かぎ層をそろえる」はいつでも正しい操作ではない。 地層がかたむいている問題でかぎ層をそろえると、せっかくの標高の目もりが壊れて、何も読めなくなります。使うのは「地層が水平」と分かっているときだけです。
- 地面の高さと地層の高さは別。 地面が高い地点でも、かぎ層が高いとはかぎりません。標高の目もりで読みます。
- かぎ層は「同じ時間の面」。 火山灰は短い間に広い範囲へ降り積もるので、はなれた地点でも同じ時刻の目じるしとして使えます。水平なら同じ標高、かたむいていれば同じだけかたむきます。
- かたむきは東西と南北で分けて考える。 実際の地形のパターンでは、A・B が南北に、A・C が東西にならんでいます。南北の2地点でかぎ層の標高が同じなら、南北にはかたむいていません。
- 粒の大きさは積もった場所のちがい。 れき・砂・泥の順に、岸から遠いほど細かい粒が積もります。上へ行くほど細かければ、海が深くなっていったと読めます。
このツールで 何が見えるか
- 問題文
- 画面のいちばん上に、その画面で何を考えるのかが大きく出ます。「地層は傾いています。どちらの方角に低くなっているか」/「地層は水平です。A地点の標高が○mのとき、ほかの地点の標高は」。答えは書きません。
- 出発点は「地面でそろえた柱」
- 掘ってきたままの並びです。縦の目もりは「地面からの深さ」。教科書の柱状図と同じ見た目から始まります。
- 目もりの破線
- すべての目もりから右はしまで破線が伸びます。柱を動かしたとき、どの高さに合わせているかが目で追えます。
- ① 標高で そろえる
- 地図の標高のとおりに柱を上下へ置き直します。目もりが「標高」に変わり、かぎ層の高さが地点ごとにずれます。
- ② かぎ層で そろえる
- かぎ層を横一列にそろえます。柱の上(地面)がずれ、そのずれが地点どうしの標高の差になります。
- シンプルな地形
- 等高線がまっすぐな一様の斜面。観測地点は東西に3つならびます。まず考え方をつかむための面です。パネルの「地形」で切りかえます。
- 実際の地形
- 等高線が曲がる、試験に出るかたちの地図。観測地点はA地点を基準に北・東・北東の4つ。地面の標高は58・62・54・60mちょうどです。
- 地層を 見る
- 断面図が出ます。断面の中に柱状図がそのまま入るので、掘ったものが地層のどこを通っていたかが見えます。シンプルな地形は東西の1枚、実際の地形は東西と南北の2枚。
- 柱をつまんで動かす
- 柱はどこをつまんでも上下に動きます。0.5mきざみ。ずらした量が柱の下と読み取り欄に出ます。
授業での使い方
シンプルな地形の①で「標高で そろえる」を押し、かぎ層が階段状にずれるところを見せます。「どっちへ下がっている?」だけ聞いて、向きは言いません。
②に切りかえて、各自の端末でかぎ層をそろえさせます。A地点の標高を手がかりにほかの地点の標高を書き出させてから、「地層を 見る」で確かめます。
実際の地形の①へ進みます。A・Bが南北、A・Cが東西にならんでいることを地図で確かめさせ、「南北にはかたむいていない」ことを自分で見つけさせます。最後に「地層を 見る」で縦と横の断面を出し、南北の断面では層が水平になっていることを確かめます。①で「かぎ層で そろえる」が出てこない理由を説明させると、2種類の問題のちがいが言葉になります。
どの使い方でも、動かした条件はそのままURLに入ります。 画面の「リンクをコピー」を押して配れば、生徒の端末でも同じ画面が開きます。 生徒が見つけた条件のリンクを提出させれば、そのまま記録になります。
すぐ使える条件
- ① 掘ってきたままここから始める
- ① 標高でそろえたかぎ層が階段になる
- ① 実際の地形北・東・北東の4地点
- ① 実際の地形・そろえた南北は同じ高さ
- ② 標高をさがす等高線は伏せてある
- ② かぎ層でそろえた地面のずれが標高差
- ② 実際の地形難しいほう
- 縦と横の断面柱状図が入った断面図
あえて入れていないもの
中学校で教える形を優先して、省いている条件があります。 教科書や資料集の数値と合わないことがあるので、先に書いておきます。
- しん食・断層・不整合は扱いません。積もったままかたむいた地層だけです。
- ①の地層は東西方向にだけかたむいています(東へ1ますで2m)。南北方向にはかたむいていません。②の地層は水平です。
- シンプルな地形は一様な斜面です(東へ1ますで1m下がり、北へ1ますで0.5m上がる)。等高線がまっすぐなので、地図を読むこと自体でつまずかないようにしています。実際の地形はゆるやかなこぶのある斜面で、等高線が曲がります。
- ボーリングの深さは28mです。実際の地形の①では、D地点だけいちばん下のれき岩まで届きません(実物と同じです)。
- 観測地点は動かせません。問題パターンで決まります。
- 化石や示相化石・示準化石は扱いません。
よくある質問
なぜ「かたむき」と「標高」でモードが分かれているのですか?
前提が裏返しだからです。地点の標高が分かっていればかたむきが出せますが、逆に地層が水平だと分かっていれば標高が出せます。両方を同時に求めることはできません。同じ画面に2つの操作を並べると、どちらの世界の話か分からなくなるので、分けてあります。
かたむきのモードに「かぎ層で そろえる」がないのはなぜですか?
地層がかたむいているときにかぎ層をそろえても、意味のある値が出ないからです。標高の目もりが壊れるだけです。かぎ層をそろえる操作は「地層が水平」という前提とセットで使います。
「シンプルな地形」と「実際の地形」はどう使い分けますか?
まずシンプルな地形で考え方をつかみ、実際の地形で試験のかたちに慣れる、という順を想定しています。実際の地形は等高線が曲がり、観測地点も東西一列ではなく北・東・北東に散っています。画面の上のバーで**問題の種類**(かたむき/標高)を、パネルの「地形」で**むずかしさ**を選びます。
柱状図はどうやって動かしますか?
それぞれの柱のどこをつまんでも上下に動きます。0.5mきざみで止まります。すべての目もりから破線が右はしまで伸びているので、どの高さに合わせているかが分かります。「地面で そろえる」で出発点にもどせます。
「地層を 見る」では何が出ますか?
断面図です。断面の中に柱状図が入るので、掘ったものが地層のどこを通っていたかが見えます。シンプルな地形は東西の1枚、実際の地形は東西と南北の2枚が出ます。②では地図の等高線とすべての地点の標高も出るので、答え合わせに使えます。
かたむきの向きや、地点の標高は画面に出ませんか?
出しません。柱を動かしたあと、左の目もりで自分で読みます。読み取り欄に出るのは、地図から分かる条件と、自分がずらした量だけです。
